浩三のパネルが市役所に
竹内浩三を読む会が市に依頼して実現。
伊勢市役所玄関を入って受付がある。少し右に進むと公衆電話やコピー機があり、その上に浩三のパネルが掲げられた。「学校提出作文」の一つで、宇治山田高校に建設された「我が学校」と同じ山中2年の時の作品である。
故郷
僕の故郷は山田(現在の伊勢市)であって、今も山田に住んでいるので、故郷という感は少い。故郷といえば、田舎で水清く山青い自然にめぐまれた平和境の様な処と思っていたが、さて故郷の作文を書こうとすると、やはり故郷は山田より外にない。
山田は都会という程の町でもない。人口5万の一人前の市である。自慢といえば先ず第一に大神宮である。もったいないことであるが、馴れてしまって、あまりありがたいと思わなくなったような感もないことはない。他の地方の人が聞いたらうらやむであろうが。その他、自慢とする処はありすぎてないようである。山といえば朝熊山、海なら二見、川なら宮川といったように自然にめぐまれない土地ではない。では、市というものの、つまらない田舎かといえばそうでもない。そうとう文明も入り込んでいる。交通なら省線、参急(注 現在の近鉄)、伊勢電、バス。アスファルトの道路までがその仲間いりをしている。と述べると山田よりよい所はないように聞こえるが、事実そうなのである。只それを我々が忘れていたのである。



